《5つの柱によってセラピーが組み立てられます》
【 アーサナ 】ポーズです。多くの方が「ヨガと言えばポーズ」を連想されるのではないでしょうか。一般的なヨガにおいてポーズの目的が柔軟性の向上や筋トレなどの健康的な身体作り、そして美容効果など、肉体への効果に向けられることに対し、ヨーガ療法では単にポーズ(肉体)は自分の内側へのアプローチの手段としています。そのため柔軟性を気にかけることやポーズの完成度を求めること、他者と比べることなどは一切なく、ただ自分の内側へ体操を通して意識を向けていくことによって、気づきの力や客観視力を付けていこうというものなのです。このように身体を意識化していく過程で副次的な効果として脳の偏桃体の過覚醒が鎮まり、副交感神経が優位になることなどで深いリラクセーション効果、そして上述したような健康的な身体作りに効果があることが分かっています。難しいポーズ、激しいポーズは一切ありません。運動が苦手(実は私も苦手)な方でも安心して受けていただけます。
【プラーナ―ヤーマ】呼吸法です。アーサナと同じで呼吸を通して自分を意識化することが主たる目的ですが、自律神経である呼吸をコントロールする力が身につくことでリラクセーション効果や沈静作用、反対にシャキンとした覚醒状態を自分で作り出すことが可能になります。伝統のヨーガには何百種もの呼吸法がありますが、標高5000mの山中と私たちが暮らす海抜0mでの環境が同じであるはずはありません。ヨーガ療法教室では伝統のヨーガの呼吸法の中から安全性が確かめられたものだけを扱っています。食物は2日食べなくても生きていられますが、呼吸は3分止まれば体に深刻な問題が生じます。それほど呼吸が心や人体に与える影響は大きいと自覚して私達ヨーガ療法では慎重に呼吸法を取り扱っています。
【瞑想】ヴェーダ瞑想、心観瞑想を主に行っています。これもまた自分を意識化するものです。ヴェーダ瞑想はテーマをもとに自分の認知の仕方、特徴、習慣化された思考の癖、過去の記憶に対する自分の意味づけなどの意識化、そして心観瞑想では自分の今この瞬間の心の動きを意識化していきます。
【ダルシャナ】伝統のヨーガでは師匠と弟子の対話をダルシャーンと呼んでいます。ヨーガ行者の最終目標は解脱であり、師匠は対話を通して弟子を解脱へと導きます。ヨーガ療法の目標である心身の健康に対話を通してお導きいたします。伝統的には‘‘哲学”という意味を持つ「ダルシャナ」という言葉はヨーガ療法においては一般的なカウンセリングと同義になります。
【アビヤーサ】勤修。修習。1分からでいいから1日1回やってみる。それを毎日繰り返すこと。これは2500年ほど前に編纂されたヨーガ・スートラという聖典の第1章14節で「勤修は、休むことなく熱心に長期にわたって行じ続ければ、堅